臨床医学総論・各論

【国家試験対策】筋力低下・筋萎縮を主とする疾患のそれぞれの特徴について

【国試対策】筋力低下・筋萎縮を主とする疾患のそれぞれの特徴について

おはようございます😁 もぬけです。

 

このサイトは鍼灸師・柔道整復師国試対策の内容をまとめています。
あくまで国家試験対策のまとめですので臨床的なものは含んでいません。

このページのポイント
 
 筋力低下を伴う疾患を覚える
 その違いを覚える
 国試対策で出そうな所を覚える
 
国試向け筋萎縮や筋力低下の疾患まとめ

 重症筋無力症
 進行性筋ジストロフィー
 筋萎縮性側索硬化症
 ギランバレー症候群

筋力低下・筋萎縮を主とした疾患で国家試験でよくごちゃまぜにして聞かれるのが上記の4つ。
並べてみましたが、違いは全て答えられますでしょうか。

私も学生だった頃、この4つの違いがあんまりわからずいつも選択肢を誤っていました。
何度も問題を解いていく内にだんだんわかってくるんですがその度調べ直すのもめんどくさいですよね。

ということでこのページですべて解決できるようにまとめていきます。
足りていない所があればコメントいただけたら追記できますのでなんでも書いてください。

では上から順番に説明をしていきます。

重症筋無力症について

重症筋無力症の概要重症筋無力症の概要

重症筋無力症は、神経筋接合部の後シナプス膜のアセチルコリン受容体に対する抗体のため、神経筋伝達が傷害される自己免疫疾患である

重症筋無力症の原因は自己免疫機能の異常で発生する自己免疫疾患で、アセチルコリン受容体が自己免疫により障害を受けます。

神経筋接合部のアセチルコリンの役割について

骨格筋は運動ニューロンの神経終末に活動電位が到達すると神経終末部からシナプス間隙にアセチルコリンが放出され、筋の細胞膜にあるアセチルコリン受容体に作用し、結果細胞膜のイオン透過性が増大。終盤部で筋細胞膜に脱分極を起こす。
骨格筋の伝達も神経伝達で一つであり、アセチルコリンとアセチルコリン受容体が関係してきます。

アセチルコリン受容体にアセチルコリンが入ることにより筋肉は収縮するための指令が届きます。

重症筋無力症ではこの神経筋接合部でのアセチルコリン受容体が減少して傷害されるため、筋収縮が起こりにくくなる疾患です。

受容体が自己免疫によって傷害されているだけなので、アセチルコリンそのものの変性や数の低下などは起こっていません。

重症筋無力症の症状について

重症筋無力症の症状

眼瞼下垂・複視
咬筋の障害
首下がり
四肢の筋力低下
日内変動・易疲労性
嚥下困難
呼吸困難

眼瞼下垂・複視

眼筋の低下により眼瞼下垂(まぶたが重そうな表情になる)や複視(物が二重に見える)などが発声します。

首下がり

頸部の屈筋・伸筋に以上が発生するため、頭部の重みを首の筋肉が支えきれずに首が垂れ下がっていきます。
このときの首の前屈を首下がりといい重症筋無力症の特徴の一つと言えます。

日内変動・易疲労性

アセチルコリン受容体が傷害されているため、夕方になると増悪するなど日内変動のある易疲労性を示します。

また同様の理由で休むと症状が改善されるというものがあるのが重症筋無力症の特徴です

嚥下困難・呼吸困難について

嚥下困難・呼吸困難が進行することを急性増悪「クリーゼ」といいます。
クリーゼになると予後は不良です。

重症筋無力症の合併症

重症筋無力症の合併症

甲状腺機能亢進症
慢性甲状腺炎

重症筋無力症も甲状腺機能亢進症も自己免疫疾患のため合併することがあります。

重症筋無力症の治療や診断

重症筋無力症の治療

抗コリンエステラーゼ 投与
胸腺切除
免疫抑制剤

 

重症筋無力症の診断

抗アセチルコリン受容体:90%
易疲労性:75%
CTやMRIの検査が必要

診断方法を選ぶ選択肢で一見CTやMRIは関係なさそうに思えますが、胸腺腫が2,3割の確率で存在するため必要となります。

また投与するのは「抗コリンエステラーゼ」ですが、血中にあるものは「好アセチルコリン受容体」となり間違えないよう注意です。

進行性筋ジストロフィー

進行性筋ジストロフィーの概要進行性筋ジストロフィーの概要

筋ジストロフィーとは進行性の筋力低下・筋異種をきたし、骨格筋組織の筋細胞構築の乱れ、間質の増生、脂肪化及び筋細胞の壊死・再生を特徴とする遺伝性疾患の総称である。

上記の説明でもあるように筋ジストロフィーは遺伝性疾患の総称です。
なので、〇〇型筋ジストロフィーというものが多数存在します。

これだけは筋ジストロフィーで覚えておいてほしいという型の名前があります。
それがデュシェンヌ型筋ジストロフィーです。

一番筋ジストロフィーの中で最も多く登攀性起立などのキーワードも存在し、国家試験対策でよく出題されています。

 

進行性筋ジストロフィーの種類

デュシェンヌ型
肢帯型
顔面肩甲上腕型
遠位型
先天性のもの

この種別はすべて覚える必要はありませんし、細かい詳細も覚える必要は今の所ありません。

今後の国家試験で出題される可能性はゼロではありませんが流石に細かすぎると思うのでしばらくは出ないと思っています。

進行性筋ジストロフィーの症状について

〇〇型という分類での症状までは覚えなくても大丈夫ですが「進行性筋ジストロフィー」という大きな枠で見たときの症状は覚えていく必要があります。

 

進行性筋ジストロフィーの主な症状

登攀性起立(ガワーズ徴候)
動揺性歩行(アヒル様歩行)
腓腹筋の仮性肥大
翼状肩甲
ミオパチー顔貌

項目の上に行けば行くほど重要なキーワードです。
腓腹筋の仮性肥大などはたまに忘れてしまう症状なので再確認しておきます。

例えば選択肢でこれが上腕二頭筋の仮性肥大とか書いていたら怪しいと思ってください。

ただ無いとも言い切れない症状なので他に絶対になさそうなものがあったらそちらを優先します。

登攀性起立(ガワーズ徴候)について

登攀性起立とは、まるで自分の身体をよじ登るように起き上がることからこの名前が付きました。
両腕を足で支えながら体を起こしていく起き上がり方のことで別名「ガワーズ徴候」とも言います。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーといえば登攀性起立というぐらい国家試験ではメジャーなキーワードです。

ミオパチー顔貌について

ミオパチー顔貌は顔面筋が傷害されて眼輪筋・口輪筋などが麻痺します。
そのため眼を閉じることができなくなり兎眼(目が赤くなること)になります。
また笑うときに口角が上がらないので横笑い(水平でとまる)ようになります。
こういった症状のことをミオパチー顔貌と言います。

進行性筋ジストロフィーの診断と治療について

現在の医療では治療法はなく、対処療法のみとなっています。
治療法がないため予後は不良で呼吸不全・心不全が死因です。

 

進行性筋ジストロフィー診断

血清クレアチンキナーゼ高値

国試に出題されるキーワードで血清CK高値というものがあります。

CKとは上記のクレアチンキナーゼの略です。
これが選択肢で血清CK低値などという表記があれば誤りです。

筋萎縮性側索硬化症について

筋萎縮性側索硬化症の概要筋萎縮性側索硬化症の概要

不明の原因により、進行性に上位および下位運動ニューロンの変性脱落が生じる

筋萎縮性側索硬化症はALSとも言い、原因不明の疾患です。

40-60代で発病することが多く、家族性筋萎縮性側索硬化症も存在します。

病理的には「脊髄前角」「前根」「側索」「軸索」「髄鞘」などが傷害されます。

筋萎縮性側索硬化症の症状について

症状は図のように筋肉系に関しては様々な障害が起きたり、球麻痺などの延髄・橋に関係する筋肉の障害も発生します。

そのためどちらかと言うと国家試験対策では「症状の出ない部位」を覚えるほうが点数が取りやすくなります。

 

筋萎縮性側索硬化症の症状でないもの

知能障害
眼球運動障害
感覚障害
膀胱直腸障害

症状が進んでいっても上記の4つは傷害されません。

眼球運動でコミュニケーションをとる装置を導入するなどして対処していきます。

筋萎縮性側索硬化症の診断・治療

治療に関しては筋ジス同様に対処療法しか今はありません。

 

筋萎縮性側索硬化症の診断

被験肢脱神経性の所見

診断では被験肢脱神経性の所見を見ます。

使用する機材は筋電図です。MRIやCTは使いません。

ギラン・バレー症候群について

ギラン・バレー症候群の概要ギラン・バレー症候群の概要

急性あるいは亜急性に進行する運動優位の末梢神経障害である。

下痢や腹痛・また風邪に似た症状のあと、手足がしびれて力が入らなくなったりするというのがギラン・バレー症候群の症状です。

ギラン・バレー症候群の特徴として末梢神経障害であることも挙げれます。

ギラン・バレー症候群の症状

ギランバレーの症状について

四肢のしびれ感・感覚鈍麻
脊髄性の運動失調
歩行困難
腱反射低下または消失
両側性顔面神経麻痺
外眼筋・呼吸筋麻痺・球麻痺
頻脈・徐脈・非整脈
自律神経症状

下痢・腹痛・咽頭炎などの症状の後、四肢の痺れ・感覚異常・歩行困難などの筋力低下・感覚鈍麻が発生します。

運動神経の神経伝達速度が低下します。(感覚神経の低下は見られません。)

重症化したら、球麻痺症状(嚥下困難など)の症状が出てきます。
呼吸も困難になるケースもあり重症化次第では危険な疾患です。

顔面神経麻痺は両側で現れるのも特徴的です。ベル麻痺は片則などで国試の選択肢としてよく使われます。

他の筋力低下・筋萎縮を伴う疾患と大きく異なるのは末梢神経障害という所ともうひとつ自律神経症状が発生する所です。

自律神経障害では血圧の変動や脈の異常などが見られます。

ギラン・バレー症候群の治療と診断

治療は高タンパク・高ビタミンの栄養管理を行っていれば回復します。

重症化して呼吸筋麻痺や球麻痺などが発生している場合は人工呼吸管理を行ないます。

診断には、髄液検査を行ないます。
あんまり国試で聞かれないのでさらっと流しますね。

鍼灸師国家試験対策 臨床医学各論の末梢神経障害まとめ
【国家試験対策】臨床医学各論の末梢神経障害まとめ「ギラン・バレー症候群」・「ニューロパチー」・「末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)」「ラムゼーハント症候群」などの簡単なまとめになります。...

末梢神経障害についてのまとめは上記の記事に整理しています。

筋強直性ジストロフィーについて

第19染色体の異常、常染色体優性遺伝である。
遠位筋からの筋力低下から始まり、首の筋肉や顔面筋が高度に侵される

 

筋強直性ジストロフィーについて

常染色体優性遺伝 19番目の染色体異常
ミオトニー
ミオパチー顔貌
脱毛・白内障・心筋症
性ホルモン分泌異常
知能低下・精神障害

他の疾患との違いはミオトニーや知能低下などです。

出題傾向は少なめのため覚えるのは後回しでもOK。

進行性筋ジストロフィーと引掛けで出題されることがあるため、こういう疾患もあるとは覚えておいたほうがいいですね。

筋力低下・筋萎縮を伴う疾患のまとめ

ながながと説明しましたが、この1ページで臨床医学各論の筋力低下に関する疾患はほとんど解けると思います。

「ここが足りてないよ」などがあったらコメントに書いていただければ追記します。

最後までお読みいただきましてありがとうございます

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