東洋医学概論

【国家試験対策】毎年1,2問は出題される東洋医学の経脈病症についてを徹底解説

【国家試験対策】毎年1,2問は出題される東洋医学の経脈病症についてを徹底解説

おはようございます😁 もぬけです。

このサイトは鍼灸師・柔道整復師国試対策の内容をまとめています。
あくまで国家試験対策のまとめですので臨床的なものは含んでいません。

このページのポイント
 
 十二正経の経脈病症を学ぶ
 臓腑弁証との違いを学ぶ
 奇経八脈病症についても学ぶ
 

臓腑弁証と経脈病症の違いで何回も選択肢をミスった経験はありませんか?

今回は臓腑弁証との違いも交えながら経脈病症を徹底的に解説していきます。

十二経脈病症の概要について

十二経脈病症は、十二経脈及びこれらが所属する臓腑の機能失調により現れる証候である。

「咳喘」という症状を例にとって考えます。
咳喘と聞くと肺の症状です。もちろん肺の経脈病症でも出てきますが、経脈病症で考えると咳喘(咳き込む)は腎経でも起こります。

その理由は足の少陰腎経の経脈が肝と隔を貫いて肺中に入るためです。

同じ咳症状でも、手の太陰肺経の咳は欠盆の痛みを伴う咳で、足の少陰腎経は呼吸が苦しくてする咳であったり、飢餓感があるような不安な気持ちを伴う咳がでます。

咳を例えに出すと、肺は臓腑弁証でも十二経脈病症でも同じ症状ですが、問題は臓腑弁証にあって十二経脈病症にないものまたは違う臓腑経絡上で発生するものです。

例えば「知飢不食」で考えます。知飢不食というのは漢字の通り「飢餓(空腹感)があるのを知っているのに、食べることができない」という状態です。
普通に考えると、食欲に関することなので「胃」や「脾」を想像しますが、この2つは関係なく、腎の経脈病症として出現します。

上記の問題などでは「十二経脈病症は臓腑弁証の一歩手前の状態と考える」と理解できるところもあります。(あくまで覚え方です。)

この場合の「知飢不食」は足の少陰腎経の異常により温煦作用が失調し、その結果脾陽が衰退するため発生します。

以下からは各経脈の症状をなるべく理由をそれて記入していきますが、東洋医学的な根拠とイメージ(覚えるための関連付け)による組み合わせで覚えてもらえたらわかりやすいと思います。

(イメージ):これが書いているものに関しては東洋医学的な根拠はなく国家試験対策用の覚え方です。

このサイトは国家試験対策用サイトなので臨床的では無いことはご了承下さい。

手の太陰肺経の経脈病症について

手の太陰肺経は中焦から起こり胃口をめぐって肺に向かいます。

手太陰肺経脈病症一覧

 上肢前面外側の痛み
 手掌のほてり
 咳
 息切れ
 胸の苦しさ
 胸の熱感
 鎖骨上窩痛(欠盆中痛)

「鎖骨上窩の痛み」は、「欠盆の痛み」と表現されることがあります。
欠盆は十二経の通り道ですが、特に「肺経」と「胆経」で症状が出てきます。

複数回登場するものは、下の項目で再度まとめています。

そして厄介なのが、「欠盆」自体は、足の陽明胃経の経穴ですが、胃経の症状では出てきません。

手の陽明大腸経の経脈病症について

示指末端から起こり、手足三陽が集まる頚椎に向かって進み欠盆を通り横隔膜を通過したのち大腸へ向かいます。

手陽明大腸経脈病症一覧

 上肢外側の痛み
 示指の痛み
 喉の腫れ・痛み
 歯痛(下の歯)
 鼻血

大腸の疾患なので一覧には書いていませんが、便秘や下痢が出現することはあります。

流注では欠盆を通りますが欠盆中痛は症状ではありません。

国家試験的にポイントなのは歯痛です。
これは五十音で覚えてもらうのがいいと思います。

歯痛は下の歯は「大腸経」、上のは「胃経」で発生します。

足の陽明胃経「い」:上の歯
手の陽明大腸経「だ」:下の歯

五十音順で早いのは「い」なので上の歯、遅いのは「だ」なので下の歯(イメージ)

鼻閉や鼻汁は一見「肺経」ぽいですがこれも大腸経の支脈が鼻孔を通るため発生します。

足の陽明胃経の経脈病症について

鼻翼両端からおこり、口唇をめぐる。横隔膜を通過し、胃に属します。

足陽明胃経脈病症一覧

 前胸部・鼠径部・下肢前面・足背 の痛み
 顔面のマヒ
 前脛部の腫れ
 躁鬱状態
 鼻血
 消化吸収の異常
 顔が黒い

胃の陽明胃経の経脈病症で一番想像がつきにくいのが「躁鬱状態」だと思います。
胃の症状と全く関係がなさそうなので出題されやすいポイントです。

顔の症状についてもよく出題されます。顔が黒くなるのは「胃経」と「腎経」です。
腎経はなんとなく想像が付きそうですが、「胃経」は上記同様想像と結びつかないので要注意です。

経穴では欠盆がありますが欠盆中痛は症状ではありません。
もうなんでやねんしか出てきませんが、東洋医学的には深い理由があります。
なのでそういうものだと思って諦めて覚えていきます。

足の太陰脾経の経脈病症について

足の母指末端から起こって腹部に入り脾経に属します。

足太陰脾経脈病症一覧

 前胸部・心下部・腋窩の圧迫感
 下肢内側の痛み
 母趾の麻痺
 食べると吐く
 腹部膨満感
 軟便・下痢
 噫(おくび)
 舌のこわばり

よく出題されるのが、「心下痛」です。
心下部の痛みや圧迫感は一見すると「心」「心包」の病態に思えますが、経脈病症では、「脾」経の疾患として扱われるため注意が必要です。
心下痛の理由は足の太陰脾経の支脈が横隔膜を通り、心中に注いでいるためです。

舌のこわばりも同様に足の太陰脾経が舌に連絡しているためです。

手の少陰心経の経脈病症について

心中から起こり、心に属します。

手少陰心経脈病症一覧

 上肢前面内側の痛み
 心臓部の痛み
 手掌のほてり・痛み
 喉の渇き
 脇の痛み

「手掌のほてり」が現れるのは手の「陰経」の3経絡です。

※手の太陰肺経、手の少陰心経、手の厥陰心包経

喉の乾きが現れるのは肝経と心経なので、下記のイメージで覚えると楽です。

喉の乾きが肝心

手の太陽小腸経の経脈病症について

小指の外側端から起こり、欠盆に入って心臓に絡する。
その後食堂を沿って横隔膜を通過して胃部に達して小腸に属する。

手太陽小腸経脈病症一覧

 頸部・肩・上肢後面内側の激しい痛み
 首が腫れ、後ろを振り返ることができない
 喉あごの腫れ・痛み
 耳鳴り・難聴

「後ろを振り返れない」という表現は手の太陽小腸経のみです。
絶対に覚えておきましょう。

あと臨床的にもこういう患者をよく見ますが、小腸経に異常があることが多いです。

「耳鳴り・難聴」は耳の前を通る経脈に発生します。
※手の太陽小腸経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経

「耳鳴り・難聴」の覚え方
耳の前にある経穴「耳門」・「聴宮」・「聴会」です。
それぞれ「耳門」が「手の太陽小腸経」・「聴宮」が「手の少陽三焦経」・「聴会」が「足の少陽胆経」ですのでこれで覚えましょう。

耳の前、ジモンと次長課長へ
寺門ジモンと次長課長へ何かメッセージを送りたい!(どうでもいい)

上から「三・小・胆(みこたん)」
耳鳴りは巫女タン!

足の太陽膀胱経の経脈病症について

眼の内眼角から起こり脊柱の傍らの筋肉から体内に入り、腎臓に絡し、膀胱に属します。

足太陽膀胱経脈病症一覧

 頭頂・後頭部・腰・下肢後面・小趾の痛み
 目の痛み
 脊柱の痛み
 痔
 てんかん
 目黄
 鼻血
 腰痛

足の太陽膀胱経の経脈で特徴的なのは「てんかん」です。
なぜ起こるのか理由はよくわかりません…汗

腰痛は背中を2回も通っているのでわかりやすいですね。

内眼角から起こるので目の痛みが出てきたり、足の太陽膀胱経は衛気に関係しているので鼻閉・鼻汁・鼻血などの鼻の症状が出てきます。

足の少陰腎経の経脈病症について

足の第5指の下面から起こる。脊柱の内面を貫通し、腎臓に属し膀胱に絡します。

足少陰腎経脈病症一覧

 大腿内側の痛み
 足底のほてり
 腰部のいたみ
 顔が黒い
 空腹があるが食欲がない「知飢不食(ちきふしょく)」
 呼吸が苦しく咳き込む
 血瘀
 喀血
 立ちくらみ
 びくびくする

足の少陰腎経は「顔が黒い」という特徴的な症状がでます。
※足の陽明胃経「黒」、足の少陰腎経「黒」、足の厥陰肝経「青黒」、手の厥陰心包経「赤」

「知飢不食(ちきふしょく)」は臓腑弁証では「胃」の「虚証」で出てくる病態です。ですが、経脈病症では「腎」の病態として出てきます。

手の厥陰心包経の経脈病症について

胸中から起こり、心包絡に属します。

手厥陰心包経脈病症一覧

 上肢のひきつり
 腋の腫れ
 手掌のほてり
 心臓部痛
 季肋部のつかえ
 胸がくるしい
 顔が赤い
 精神が不安定になる

顔が赤くなるのは手の厥陰心包経の特徴的な症状です。

また、特徴的なのは笑い続けるというような精神不安定が発生します。

手の少陽三焦経の経脈病症について

環指の末端から起こり上に向かいます。胸中にも分布し下に向かって横隔膜を通過。上中下の三焦に属します。

手少陽三焦経脈病症一覧

 耳後・肩上部・上肢後面・目尻・頬の痛み
 薬指の麻痺
 耳鳴り・難聴
 咽頭・喉頭の炎症
 発汗

三焦経は耳の前を通りますので耳鳴りと難聴が発生します。

三焦で水を司るため発汗が発生します。

手の少陽三焦経は「関衝」が薬指にあるため、「薬指のマヒ」が発生します。

足の少陽胆経の経脈病症について

眼の外眼角から起こり、側頭部を通った後、下へ向かいます。
横隔膜を通過して胆に属します。

足少陽胆経脈病症一覧

 目尻・側頭部・顎関節・鎖骨上窩・体幹外側・下肢外側の痛み
 寝返りがうてない
 口苦い
 ため息
 季肋部の腫れ

「寝返りが打てない」というのは足の少陽胆経のみの症状です。

足の厥陰肝経の経脈病症について

足の第一趾から起こり上に向かい陰毛部へ入る。陰部をめぐった後胃の傍らより肝臓に属します。

足厥陰肝経脈病症一覧

 疝気(男性)
 下腹部の膨張感
 遺尿
 尿閉
 腰痛
 季肋部の腫れ
 嘔吐
 ひどい下痢
 喉の渇き
 顔が青黒い
 生殖器症状

個人的に模試やテストなどで肝経が一番出題されやすいような気がしてます。

生殖器の症状は臓腑弁証では「腎」の症状ですが、経脈病症では「肝」の症状ですので注意が必要です。

奇経八脈「督脈」の病症

督脈では背部に走行するため腰背部や頭の重さが現れてきます。

【督脈の臨床所見】
 ■腰背部の強ばり
 ■腰背部の痛み
 ■頭重感
 ■大人の癲疾(てんしつ):各種の頭痛のこと
 ■小児の驚癇(きょうかん):癇癪やひきつけのこと
 ■疝気(せんき):下腹部の疾患の総称
 ■痔疾(じしつ):肛門部の疾患の総称
 ■遺尿
 ■不妊

説明をすればするほど混乱するかもしれませんが、風気が風府から脳に入ると、頭痛や頭重感を生むと言われています。

疝気や痔疾は督脈の別路が小腹から上行しているため、失調によって発生します。

奇経八脈「任脈」の病症

【任脈の臨床所見】
 ■疝気
 ■帯下
 ■月経不順
 ■小便不利
 ■遺尿

任脈は別名「陰脈の海」という名前がついていることから、全身の陰の気を調整・調節しています。また任脈は胞中から起こるため婦人科疾患が多く起こります。

任脈の「任」は妊娠の「妊」に通じている・関係しているとも言われています。

奇経八脈「衝脈」の病症

【衝脈の臨床所見】
 ■気急(ききゅう):呼吸困難のこと
 ■気逆上衝
 ■胸腹痛
 ■月経不順
 ■不妊
 ■滑胎
 ■早産

 衝脈もまた胞中から起こります。
そのため任脈と督脈そしてこの衝脈は「一源三岐」の関係と言われています。(はじめは同じで3つに分かれているということ)

衝脈の気が経脈にそって上逆(逆流)すると、胸の痛みや呼吸困難が発生する。

「衝脈は血海を為す」と言われており、衝脈が失調することで血が不足し月経不順や不妊が発生する。

奇経八脈「帯脈」の病症

【帯脈の臨床所見】
 ■腹部脹満
 ■腰軟無力
 ■赤白帯下
 ■下肢の運動麻痺

これも東洋医学的な説明しかなくて逆に混乱するかもしれません。

帯脈は帯のように身体を腹部・少腹部を回っています。
帯脈が弱まってしまうと、お腹を締めることができなくなるので、腹部の張った感じや、腰の力がでなくなったりしていきます。

同時に帯脈は宗筋を通ります。(男子の生殖器)
そのため下肢の運動麻痺が発生するとのことです。

ちょっと何がなんやらですね…詳しくは学校の東洋医学に詳しい先生に来てください(泣)

【十二正経脈病症】これだけは押さえておきたいところ

最低限覚えておくポイントはこんな感じです。

★「欠盆の痛み」は以下の経脈です。
1、手の太陰「肺」経
2、足の少陽「胆」経

★「手掌のほてり」と表現されるのは手「陰経」のみです。
1、手の太陰「肺」経
2、手の少陰「心」経
3、手の厥陰「心包」経

★「歯痛」は以下の経絡
1、足の陽明「胃」経 =上の歯痛
2、手の陽明「大腸」経 =下の歯痛

★「精神疾患」は以下の経絡
1、手の厥陰「心包」経
2、足の陽明「胃」経
3、足の太陽「膀胱」経

★「耳鳴り・難聴」は以下の経絡
1、手の太陽「小腸」経
2、手の少陽「三焦」経
3、足の少陽「胆」経

経脈病症についてまとめ

教科書・参考書によっては出てくる症状が異なることがあります。
ココだけではなく色々確認しながら最適なものを覚えていくようにしてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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