臨床医学総論・各論

【国家試験対策】各論「下垂体疾患」と下垂体ホルモンの働きについて徹底解説

【国家試験対策】下垂体疾患について徹底解説

おはようございます😁 もぬけです。

このサイトは鍼灸師・柔道整復師国試対策の内容をまとめています。
あくまで国家試験対策のまとめですので臨床的なものは含んでいません。

このページのポイント
 
 下垂体ホルモンについて復習する
 下垂体疾患について学ぶ
 国家試験で出題されるところを覚える
 

下垂体からは様々なホルモンが分泌されその過不足によって色々な病態が発生します。
ホルモンは上位からのフィードバック機能によって管理されているため、その上位の下垂体に疾患があると脳への影響にとどまらず影響は様々です。

〇〇について

 〇〇は✗✗

このサイトでは、上記のようなボックスは国家試験で重要になるポイントです。
上記に該当するものはどれか?(でないのはどれか?)などという問題で出題されることがあります。

〇〇
○()○()

上記のボックスは、ゴロ合わせや覚え方のボックスです。
どうしてもどれか一個忘れてしまうというときなどはゴロ合わせが強力です。

ゴロ合わせが覚えれないゴロ合わせ難民に送る3つのポイント
【国試対策】ゴロ合わせが覚えれないゴロ合わせ難民に送る3つのポイントおはようございます😁「もむけ」です。 このサイトは鍼灸師・柔道整復師国試対策のまとめサイトです。 こんな人にオススメの記...

ゴロ合わせのみで覚えようとすると失敗しますので、必ず一旦は丸暗記をするか理論立てて覚えるようにしていただければと思います。

では次の項目から本題に入ります。

ホルモンとはなにか?

ホルモンとは、一般に内分泌腺にある内分泌細胞から直接血液中に分泌され、血液循環を介してそのホルモンに対する受容器を持つ特定の細胞に対して作用する。微量でとくいてきな 硬化を及ぼす物質を言う

細かいところは生理学の分野で説明するとして、ホルモンは各臓器に働きかけ、生体機能の調節を行っています。

特に下垂体からでるホルモンはフィードバック機構を調節しているため、1つの内分泌臓器だけでなく、複数の内分泌臓器にまたがったホルモン異常が見られることがあります。

どうでもいい話ですが、ホルモンはギリシャ語で「刺激する」という意味に由来しています。

もぬけ
もぬけ
焼き肉のホルモンとは違うんやで

下垂体から出ているホルモンを次項でおさらいしていきます。

下垂体から出ているホルモンについて

下垂体は下垂体前葉と下垂体後葉に分かれています。

下垂体後葉ホルモンは視床下部内で産生されて後葉にまで伸びている軸索末端から血中に放出されています。

下垂体前葉ホルモンは下垂体前葉にある内分泌細胞で産生されています。

下垂体前葉ホルモンについて

まず下垂体前葉ホルモンについて復習をしていきます。分泌されるホルモンを下記にまとめています。全部覚えていますでしょうか。

下垂体前葉ホルモン

 成長ホルモン(GH)
 プロラクチン(PRL)
 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
 卵胞刺激ホルモン(FSH)
 黄体形成ホルモン(LH)

かっこ()で記載されているアルファベットの略字ですが、臨床医学各論・総論ではよく出てきます。

成長ホルモンがGH(GROWTH HORMONE)というところが認識できていないと全然違う選択肢を選んでしまうことになります。特にややこしいのはTSHとACTHをひっくり返した問題などは一見あっていそうな感じがするので要注意です。

下垂体後葉ホルモンについて

下垂体後葉から出るホルモンは、前葉とは違い、視床下部で作られており、しかも神経性のホルモンです。

下垂体後葉ホルモン

 バゾプレッシン(ADH)
 オキシトシン

〇〇シンとつく下垂体から出るホルモンは下垂体後葉ホルモンです。

しかも優しいことに「シン」は神経性の「シン」で覚えることができます。

細かい生理的な作用はまた生理学の分野でおさらいをしておきましょう。

https://xn--vcs994adxb15nny7avnl.com/%e4%b8%8b%e5%9e%82%e4%bd%93%e3%83%9b%e3%83%ab%e3%83%a2%e3%83%b3/

下垂体疾患による病態について

ここから臨床医学各論(一般臨床論)の話になっていきます。
国家試験で出題される下垂体疾患は以下のようになります。

下垂体疾患

 クッシング病
 先端巨大症
 巨人症
 低身長症(小人症)
 尿崩症

過去問を解いていると出てくるかもしれませんが、最近は「小人」という言葉を使いません。

またこれらは下垂体性によるもので、各臓器やホルモン分泌器官自体の異常でも同様の症状は発生します。

ひとつ例を上げて説明すると、一番下の項目「尿崩症」ですが、尿崩症は下垂体後葉のバゾプレッシンが分泌されなくなることで発生します。同様に腎臓でのバゾプレッシンを受け取る受容体が損傷すると発生します。

このようにホルモン分泌器官やレセプターの異常でも同様に発生するとおぼえておきます。

では順番に解説を行います。

クッシング病

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を産生する下垂体腫瘍によって起きる疾患をクッシング病という

明確に下垂体腫瘍が原因のものをクッシング病と言います。クッシング病を含むそれ以外のざっくり副腎皮質に異常がある場合はクッシング症候群といいます。症候群なので、クッシング病自体もクッシング症候群に含みます。

クッシング病では副腎皮質の機能が亢進しますので、コルチゾールの働きが特に顕著に現れていきます。

クッシング病の症状について

 肥満
 満月様顔貌
 高血圧

下垂体に発生した腺腫がACTHを過剰に産生します。これにより副腎皮質でコルチゾールの分泌が促進します。

コルチゾールの働きは「糖代謝」「タンパク質代謝」「脂質代謝」「水・電解質代謝」「免疫抑制」などです。

上記に上げた3つの症状は教科書に記載されているもので国家試験的にはクッシング症候群と同様にまだまだ症状を覚える必要があります。

クッシング病(クッシング症候群)の症状の解説

ここからは各症状がなぜ発生するのかをなるべくわかりやすくお伝えしていきます。

クッシング症候群の症状

 中心性肥満
 満月様顔貌
 水牛様脂肪沈着(バッファローハンプ)
 赤色皮膚線条
 皮膚萎縮
 筋力低下
 高血圧
 多毛
 痤瘡
 月経異常
 不眠・うつ
 易感染性

中心性肥満・満月様顔貌はクッシング病・症候群でよく出題されるので絶対覚えておくポイントです。

順番に解説をしていくと、「中心性肥満」「満月様顔貌」「水牛様脂肪沈着」はコルチゾールの働きが脂肪の分解と合成が拮抗しているため起こります。

コルチゾールは「脂質組織を分解し血中遊離脂肪酸を増加する」働きと「脂肪の生成」「脂肪沈着」の働きがあります。
生理学では「脂肪の分解」に対する項目のみ書かれているため誤解しやすいところでもあります。

次は赤色皮膚線条についてですが、これは「白色」と書かれている選択肢がおおいです。
急激に太った人や妊婦の腹部などに発生するのが白色皮膚線条です。

「赤色皮膚線条」「筋力低下」「筋萎縮」などはタンパク質の異化作用によるものです。

コルチゾールにタンパク質の異化作用(分解)なんていう働きあったかなと思う人もいるかも知れませんが、コルチゾールのメインの働きは「糖新生」です。脂質・タンパク質を変化させ糖質に変える生理的機能でこの働きによりタンパク質は分解されていきます。

そしてこのなんでも「糖」に変えてしまう働きにより、そんなに食べていないのに血糖値が上昇し、糖尿病を合併することがあります。

「多毛」や「月経異常」は副腎アンドロゲンによる男性ホルモンの働きによって起こるものです。

クッシング病のメインのホルモンは「コルチゾール」ですが、副腎皮質の他のホルモンも影響を起こします。なので球状層であれば「電解質コルチコイド」網状層であれば「副腎アンドロゲン」も分泌亢進を起こします。

先程はアンドロゲンの働きですが、アルドステロンの機能亢進もおこるため、「高血圧」を引き起こします。

骨の吸収促進も発生するため「骨粗鬆症」「病的骨折」も引き起こすのも忘れてはいけません。

このようにホルモン単位で機能を見ていけば「クッシング病」の症状をある程度覚えているだけで解ける問題が増えていきます。

クッシング病の診断について

血中ACTH濃度が上昇し、遊離コルチゾール排泄が増加している場合は、クッシング病です。
逆に血中ACTH濃度が減少しているのに、コルチゾールが亢進している場合は、副腎皮質の異常によるものです。

頭部X線写真でトルコ鞍部の2重底・風船状拡大が見られます。同時に腹部で両側の副腎が腫大しているのも確認できます。

下垂体の疾患だから副腎皮質は正常かというとそうではありません。

下垂体腺腫の摘出を行えば予後は良好です。

クッシング症候群の主な原因について

クッシング病は下垂体腺腫によるものでしたが、クッシング症候群ではどれぐらいの割合になると思いますか?

クッシング症候群の主な原因

 副腎皮質の腫瘍
 原発性副腎皮質過形成
 下垂体性ACTH分泌過剰
 腫瘍による異所性ACTH産生

主な原因は上記4つで副腎自体の腫瘍によるものが約50%で下垂体性のものが約40%です。残り10%が異所性のものなどその他の原因によるものです。

異所性というのは異なる所と書いていることから副腎皮質以外にできた腫瘍からACTHが分泌されることです。

細胞の不思議ではありますが例えば「肺癌」などからも分泌されることがあります。

先端巨大症・巨人症

成長ホルモンの過剰によって、骨、結合組織、内臓の過剰な発達をきたす疾患である。

先端巨人症も巨人症も同様に同じ下垂体腺腫が原因で発生します。
骨端線が閉じる前に起これば巨人症となり、骨端線が閉鎖した後に起これば先端巨大症になります。

先端巨大症・巨人症の症状について

共通の症状についてお伝えいたします。

先端巨大症・巨人症の症状

 頭痛・嘔吐
 視野障害
 発汗の亢進
 体重増加
 四肢肥大

下垂体にできた腺腫によるもののため、脳が圧迫され頭痛や嘔吐を起こします。
また、下垂体の下には視神経が通っているため視野欠損が発生します。

成長ホルモン(GH)の過剰分泌により、顔面分では「眼窩上縁突出」「下顎突出」「鼻・舌・口唇などの肥大」が生じます。

巨人症の場合は上記に加えて高身長になります。

その他にも内蔵の肥大や心筋障害、高血圧なども生じますし、高身長になることに寄って変形性関節症・腰痛・末梢神経障害なども発生します。

下垂体性巨人症で忘れられやすい所なんですが、GHは過剰分泌されますが、それ以外のホルモンは欠損することがあります。

特にプロラクチンやFSH・LHのホルモン分泌低下による「性腺機能低下症」を引き起こすので忘れないようにしておきましょう。

また、血中所見では血中GH以外にもIGF-1濃度の上昇が見られることがあります。

下垂体性低身長症

下垂体性低身長症は別名成長ホルモン分泌不全性低身長症とも呼ばれます。
下垂体から分泌される成長ホルモンの分泌低下によって成長が抑制され、低身長になります。

成長ホルモンが分泌されないだけで知能は正常です。

骨成長が傷害されるため、単純に全体的に小さくとどまり身体の釣り合いは取れています。

釣り合いが取れているというのは手だけが長いや胴体だけが大きいなどの成長はしないと言うことですね。

ついでではありますので、低身長をきたす疾患をおさらいしておきましょう。

低身長を引き起こす病態について

症状として低身長を引き起こすものの一覧を下記にまとめています。

低身長をきたす疾患

 くる病
 クレチン病
 モルキオ病
 ターナー症候群
 下垂体性低身長症
 (成長ホルモン分泌不全性)

低いから棚もくくれ
 低い(低身長)か(下垂体性)ら棚(ターナー症候群)も(モルキオ病)く(くる病)くれ(クレチン病)

尿崩症

下垂体後葉機能の低下により、ADHの分泌が低下した病態の疾患を尿崩症という。

尿崩症は下垂体後葉のバゾプレッシンというホルモンの分泌低下により発生します。
いままで説明してきたのが下垂体前葉のホルモンだったので少し注意です。

メインの症状は「口渇・多飲・多尿」で飲まなければ脱水を引き起こします。

尿崩症の症状について

主な症状をお伝えしていきます。

尿崩症の症状

 口渇・多飲・多尿
 乾燥感・口内灼熱感
 睡眠障害
 高Na血症
 高浸透圧血症
 低張尿

一日、3L~10Lの尿を排出します。そのため夜間も何度も起きなくてはならず睡眠障害を併発します。

心因性の多飲症もあるので負荷試験で確認することがあります。

水制限試験・高張食塩水試験をおこなっても下垂体性尿崩症の場合は尿量の減少・尿浸透圧の上昇は見られません。

模試や定期試験で「尿崩症 - 水制限試験」という選択肢を見ることがあるかもしれませんがこれは正解です。

合併症としては、長期間尿崩症が続くことにより尿路が拡大することや「水腎症」が起きることがあります。

予後は良好ですが、生活の質(QOL)は大きく下がります。

尿崩症の治療について

基礎疾患のある場合は、その治療も同時に行い、点鼻投与で「デスモプレシン」を使用する。

国家試験でここまで出題されたことはありません。「デスモプレシン」というなんとも強そうな点鼻薬により改善します。

下垂体疾患についてのまとめ

まとめ・ポイント

大切なのは「クッシング症候群」「尿崩症」の2つです。
他の下垂体性疾患も出題されることはありますが、症状程度で詳しくは出題されません。

ポイントだけ記憶しておけば選択肢を間違えることは無いと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます

オンライン塾のお知らせ


【森元塾】国家試験対策オンライン塾ではラインで答えのやり取りを行いながら、わからないところも聞くことができます。
無料ではとても言えないきわどい覚え方や資料を使って過去問やオリジナル問題を解説しています。