解剖学

【わかりやすい】脊椎(頚椎・胸椎・腰椎)について

このページで覚えるポイント
 
 脊椎(頚椎・胸椎・腰椎)について学ぶ
 

脊柱の構成について

脊柱は体幹の支柱をなす骨格で、関節によって連結する32個-34個の椎骨からなる

まずは基本の基本である脊椎の説明からしていきます。

脊椎は、頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙椎(5個)、尾椎(3-5個)から構成されています。
仙椎は5個が癒合して一個の骨になっていて仙骨といいます。
尾骨も同様に3-5個の尾椎が癒合してできています。

よく国家試験で個数を問う問題が出題されますが、上から7-12-5-1(5)-1(3-5)で覚えておきます。
ですが、脊椎から出ている神経の数は必ずしも脊椎の数と一致はしません。
ここは合わせて覚えておくポイントですが脊髄から出る神経は、8-12-5-5-1の数で出てきます。

簡単に言うと、頚椎から出ている神経が一本多いだけって覚えてもらっておくだけで大丈夫です。

脊柱の機能について

脊柱菅狭窄症とかを勉強していると脊柱でそもそもどういった機能だっけ?
となることがあります。

神経が収納されているとともに脊髄の保護も行っています。

さらに脊椎にある突起に筋肉がついており、体幹の運動に関与します。
いちばん有名な筋肉は脊柱起立筋ではないでしょうか。

次からは各椎骨の特徴をお伝えしていきます。

頚椎

頚椎は頸部の7個の椎骨です。

頚椎のポイント

 横突孔をもつ
 横突孔は椎骨動脈が通る
 脊髄神経溝をもつ
 前・後結節をもつ

環椎(C1)と軸椎(C2)は頚椎でも異なった形状をしているのでおいておいて、残りの頚椎は上記のような特徴を持ちます。

よく問題で「横突孔を通るものは次のうちどれか。」という問題や「横突孔をもつ脊椎はつぎのうちどれか」という問題が出題されることがあります。

これらの特徴に加えて環椎と軸椎は下記のような特性を持ちます。

環椎について

 椎体がない
 前・後弓をもつ
 外側塊をもつ

初歩的な問題で環椎は第1頚椎か第2頚椎かという問題を問われることがありますがその際はしっかりと第1頚椎と答えれるようにしておきましょう。

環椎が第1頚椎で、軸椎が第2頚椎です。

軸椎について

 歯突起を持つ
 棘突起は体表からも触知できる

頚の回旋がスムーズに行えるのは、環椎と軸椎の形状のおかげです。
輪投げで例えると軸椎の歯突起が的、環椎が輪です。
見事輪が的に入るとくるくると回りながら落ちていくと思いますが頚の形状もあのように回旋を特異とした構造になっています。

ですが、逆に言えば骨だけを見ると歯突起のみで頭を支えているので軸椎が骨折でもしてしまうと大変なことになるのはわかりますよね

隆椎

体表から触りやすい頚椎である7番目の頚椎を「隆椎」といいます

そんなけ

胸椎

胸椎は胸部の脊椎を構成する12個の椎骨である。

胸椎は肋骨(ろっこつ)の周りにあるので肋骨とつながる肋骨窩があります。
さらに横突起の尖端には横突肋骨窩が存在します。肋骨窩とついたら胸椎が怪しいと思ってください。

胸椎のポイント

 肋骨窩・横突肋骨窩を持つ

T11とT12に関しては椎体の肋骨窩は上下に分かれずに椎体ごとに単独の肋骨窩を作ります。
それと同時に横突肋骨窩は存在しなくなります。

ここまで細かくは出題はされたことは無いですが、頭の片隅にでもおいておくと出たときに思い出せるかもしれません。

腰椎

腰椎は上半身の全体重を支えるために椎体は太く大きく、椎間円盤も厚く変化する

腰椎は胸椎とは逆に肋骨は存在しなくなるので、肋骨突起になります。
そして横突起だったものは副突起となります。
そして筋が付着する乳様突起が存在します。

覚え方としては、肋骨はないけど肋骨みたいなのがほしいから突起として出てきたって覚えると良いかもしれません。

腰椎のポイント

 肋骨突起がある
 副突起がある
 乳頭突起がある

もっと適当な覚え方はくぼんでいる(〇〇窩)のが胸椎、尖っている(〇〇突起)のが腰椎とざっくり覚えてから取り組むとおぼえやすいです。

あくまで覚え方なだけなので、しっかりと正しいことは覚えてくださいね。

特に、乳様突起と乳頭突起は間違えやすいポイント、見かけたら乳の後を丸して間違ってないか確認して!

仙骨

仙骨は骨盤部の脊柱である

思春期までは軟骨結合で5個に分かれてた仙椎が成人になるとくっつきます。
なぜか仙骨の上面が仙骨底で、岬角があります。

仙骨の外側面は広く拡大していて、仙腸関節と連絡している耳状面であり後方には仙腸靭帯がつく仙腸粗面があります。

仙骨のポイント

 仙骨底は上
 第一仙椎の椎体前端を岬角という
 耳状面をもつ
 耳状面は仙腸関節

尾骨

尾の退化している人では、尾椎は3-5個の小さな骨であり、通常それが融合して一個の尾骨となっている。

尾骨の問題は出題されません

脊柱管について

複数の椎骨が連なると追求が黄色靭帯を介して連結しあい、個々の椎骨も連続して脊柱の内部に脊柱管を作る。

脊柱管は後頭骨の大後頭孔から始まり、仙骨裂孔で終わります。

頭蓋を支える関節について

頭蓋をささえる関節は特殊な関節で3つあります。

頭蓋を支える関節

 環椎後頭関節:楕円関節
 外側環椎関節:平面関節
 正中環軸関節:車軸関節

形状だけでもすべて違う、関節の形状をしています。

上記3つとさらにひとつ追加して「 ー 」で結べば問題が完成します。

それぞれ詳しく説明はできますが、とりあえず上記3つの名前と関節の形状は覚えておきましょう。

脊椎の形状と特徴のまとめ

やはりいちばん出やすいのは頚椎です。横突孔とかも国家試験大好きですし、環椎軸椎と名前がいろいろあるのも問題として出しやすい。

優先的に脊柱の上から覚えていくのがおすすめです。尾骨は忘れてもらって大丈夫です。

柔道整復師の人は尾骨骨折のときに再登場します。鍼灸師はこの先尾骨に出会うことはありません。

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