解剖学

【国家試験対策】解剖学の循環器「静脈」についてを徹底的解説

【国家試験対策】解剖学の循環器「静脈」についてを徹底的解説

おはようございます😁 もぬけです。

このサイトは鍼灸師・柔道整復師国試対策の内容をまとめています。
あくまで国家試験対策のまとめですので臨床的なものは含んでいません。

このページのポイント
 
 静脈について学ぶ
 動脈との走行の違いについて学ぶ
 静脈特有のものを覚える
 

動脈の枝はすでに覚えましたでしょうか。
解剖学で覚えていくポイントは動脈のほうが優先度が高いのですが、動脈を覚えたら次は静脈を覚えていきます。

静脈はほとんどが動脈の走行と伴行していくものがほとんどですが、例外もあります。
特に上大静脈と下大静脈・奇静脈や門脈あたりは静脈の特徴的なものになり、動脈には存在しないところなのでしっかりとおぼえていく必要があります。

ここでは単に静脈の特徴をゴロや丸暗記で覚えるだけでなくわかりやすく解説を行ないながら根本的な理解を目指していきます。

静脈とは?

血管系には、心臓から送り出された血液を身体の組織に向かって運ぶ動脈と、各組織から心臓に送り返される血液を戻す静脈があり、両者は末梢組織の中で毛細血管という顕微鏡的な太さの血管網で繋がれる。

いまさら動脈と静脈の違いなんてと思われるかもしれませんが、よく出題されるところですので復習していきますね。

静脈の特徴について

 中膜が薄い
 静脈弁を持つ
 筋ポンプ作用によって末梢血液を送り返す
 動脈に比べ逆流しやすい

まずは血管の構造の復習から行ないます。
血管壁は内膜・中膜・外膜の三層構造でできています。
選択肢に「漿膜」や「硬膜」・「強膜」などと書かれていても違和感ないため単純に間違えやすいポイントです。

血管の構造について

 内膜・中膜・外膜の3層
 内膜:単層扁平上皮
 中膜:平滑筋・弾性繊維
 外膜:線維性結合線維

血管は静脈・動脈に関わらずすべて3層構造です。ただし毛細血管は3層構造ではありませんので注意です。

「note.com」でこの項目の要チェックポイントをまとめています。
要点だけを絞ってまとめていますので、あわせて見ていただくとわかりやすいと思います。

肺循環の静脈系について

左右の肺から心臓に送る血液は各肺門で2本の肺静脈に集まりそれぞれ左心房に注ぐ

左心房に注ぐ肺静脈は合計4本あります。よく出題されるポイントです。

また、動脈血・静脈血という考え方で言えば、肺静脈に流れるのは「動脈血」で他の静脈とは逆になることを注意しておきましょう。

動脈血が流れる静脈

 肺静脈
 臍静脈

また、左心房は心臓の後方に位置するため、肺静脈は心臓の後面から注ぎます。

動脈と静脈の走行の違い

教科書には5箇所、動脈との走行の違いが書かれていますので確認していきましょう。

静脈の動脈と異なる走行

 上大静脈と下大静脈
 皮静脈
 脳の静脈
 腹部の門脈
 内蔵周囲の静脈叢

上大静脈と下大静脈について

動脈の本幹である大動脈は1本であるのに比べて静脈の本幹は上半身の静脈を集めている上大静脈と、下半身の静脈を集めている下大静脈の2本あります。

また、胸壁の肋間静脈を集めている奇静脈も動脈とは伴行せず上大静脈に注ぎます。

上大静脈・下大静脈・奇静脈は静脈系の最出題ポイントですのでまた後ほど詳しく解説します。

皮静脈について

皮下を走る皮静脈は、動脈と伴行しない。

皮静脈は出題数は少ないものの、出題されたことはあります。
上肢では、橈側皮静脈や尺側皮静脈があります。これは皮静脈と名前があるのであまり出題されません。逆に下肢では、大伏在静脈・小伏在静脈があります。これは皮静脈とついていないので皮静脈は次のうちどれかという問題で出題されることがあります。

皮静脈が注ぐ静脈についてもまとめておきます。

皮静脈が注ぐ静脈

 橈側皮静脈→腋窩静脈
 尺側皮静脈→上腕静脈
 大伏在静脈→大腿静脈
 小伏在静脈→膝窩静脈

下肢の静脈は「大」と「大」でわかりやすいためすぐ覚えれますが、橈側皮静脈が腋窩静脈というのは意外に間違えやすいポイントです。

なぜなら、解剖学的肢位で尺側と橈側を比べた際に腋窩静脈に近いのは尺側だからです。
予備知識がない状態で推測すると、尺側皮静脈→腋窩静脈という選択肢を選んでしまいがちです。

過去の国家試験で出たもので教科書には記載はありませんが橈側皮静脈は三角筋の表面を通る。というものが出題されました。なんとなくでもいいので覚えておきましょう。

脳の静脈について

脳の静脈は動脈と全く異なる経路を取ることが特徴に挙げられる

毛細血管の血液は脳の表面を回る静脈に集められて硬膜の間にある硬膜静脈洞というところに注ぎます。

最終的には脳の血液は内頸静脈に運ばれ脳から出ていきます。

簡単に言うと、脳の動脈は脳内に走っていますが、静脈は硬膜の中を走ります。

腹部の門脈について

消化管や脾臓からの静脈は門脈という毛色に集められて肝臓に注ぐ、肝静脈も動脈には伴行せずに下大静脈に注ぐ

表題に「腹部の」と付けたのは門脈は腹部意外にも存在するためです。

門脈のある組織

 下垂体前葉
 肝臓
 糸球体

糸球体は動脈の門脈です。

内蔵周囲の静脈について

内蔵周囲の静脈は互いに吻合しあって静脈叢を形成する。

静脈叢を構成する主な器官

 直腸
 膀胱
 前立腺
 子宮

とりあえずまとめましたが、出題はされにくいところです。

上大静脈について

上大静脈は左右の腕頭静脈とき徐脈を集めて構成され、上行大動脈の右側で右肺動脈の前を下って右心房に入る

上大静脈の動脈との違いですが、腕頭動脈は右側にしかなかったのが、腕頭静脈では左右にあることです。

上大静脈に注ぐもの

 左右の腕頭静脈
 奇静脈

腕頭静脈について

腕頭静脈は腕頭動脈と違い対をなしています。

腕頭静脈に注ぐもの

 内頸静脈
 鎖骨下静脈

内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部を静脈角と言いますが、これもあんまり出題されません。
というか腕頭静脈自体あんまり出題されません。

奇静脈について

奇静脈系は後胸壁の静脈を集めて脊柱の両側を立てに走る奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈の3本からなる。

 

奇静脈の特徴

 門脈系の側副路
 脊柱の右側を走る
 右の肋間静脈が注ぐ
 上大静脈の後面に注ぐ

奇静脈系は3つに分かれていますが、覚え方として奇静脈とそれ意外とおぼえてもらって大丈夫です。

奇静脈は脊柱の「右」を走ります。

「みぎ」と「き」と奇静脈の「き」で覚えておく方法と、「ひだり」は文字が「みぎ」よりも多いから半奇静脈(副半奇静脈)とお互いに文字が多い方だ。とおぼえたりしてもいいと思います。(強引)

半奇静脈(副半奇静脈)の特徴

 脊柱の左側を走る
 左の肋間静脈が注ぐ
 脊柱の前を横断して奇静脈に合流する。

半奇静脈は左で、一旦最後に奇静脈に合流してから上大静脈に注ぎます。

ここらへんは簡単だと思われているかもしれませんが、例えば選択肢で下記のような問題が出てきたら混乱しませんか?

[qwiz style=”width: 90%; padding: 0.2em 0.5em; border-color: #AADDff !important;background: #FFFFFF;box-shadow: 0px 0px 0px 2px #d6ebff; border-style: dashed !important; min-height: 100px !important; ” align=”center” random=”true”][q multiple_choice=”true”]問題:静脈の流れに関して正しいものはどれか

[c]奇静脈 ー 下大静脈
[c]腕頭静脈 ー 奇静脈
[c]副半奇静脈 ー 半奇静脈
[c*]半奇静脈 ー 奇静脈
[c]奇静脈 ー 門脈

[x]正解は半奇静脈 ー 奇静脈です。

奇静脈は上大静脈にながれ、
半奇静脈・副半奇静脈は奇静脈に流れた後、上大静脈に流れます。
奇静脈は門脈の側腹順回路ではありますが、奇静脈自体は門脈へは流れません。
[/qwiz]

いかがでしたでしょうか…先程まとめたばかりのところなので正解できているはずですが、実際は他のものも勉強して頭がごちゃごちゃになっているときに出題されます。
それでも解けるようにしっかりと覚えておくと安心ですね。

奇静脈に注ぐ枝について

右の肋間静脈は奇静脈に注ぎますが、左の肋間静脈は半奇静脈と副半奇静脈に集められます。

奇静脈に注ぐ枝

 食道静脈
 右の肋間静脈
 気管支静脈
 半奇静脈・副半奇静脈

半奇静脈に注ぐ枝

 左の肋間静脈

下大静脈について

下大静脈は下半身の静脈の本幹である。第5腰椎の前で総腸骨静脈が合流して始まる

静脈で一番ややこしいのはこの下大静脈だと思っています。

特に腎静脈は途中で性腺静脈と合流しますが、右の性腺静脈は流れ込まずそのまま下大静脈に流れます。

下大静脈に注ぐ枝一覧

 肝静脈
 腎静脈
 精巣静脈・卵巣静脈(右側のみ)
 副腎静脈
 下横隔静脈
 腰静脈

課題が肝心よ!制服買おう
 課題(下大静脈)が肝(肝静脈)心(腎静脈)よ(腰静脈)!制(性腺静脈)服(副腎静脈)買おう(下横隔静脈)

色々とまとめてきましたが、下大静脈に注ぐ枝は国家試験必須ポイントです。

なんとしてもおぼえていきたいところですね。

門脈について

門脈は、主に脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈が合してできた特別な静脈である。

門脈で覚えるポイントは注ぐものと側副路の2つです。

門脈に注ぐ枝について

門脈に注ぐ枝は3つだけです。特に脾静脈はよく出題されます。

門脈に注ぐ枝

 脾静脈
 上腸間膜静脈
 下腸間膜静脈

門に非情な上長課長
門(門脈)に非情(脾静脈)な上長(上腸間膜静脈)課長(下腸間膜静脈)

胃腸や膵臓・脾臓から 集められた静脈は門脈として肝臓の中に導かれます。
それらは幹細胞で毛細血管に流れた後、再びに肝静脈を経て下大静脈に注ぎます。

つまり門脈は下大静脈に直接流れることはなく、下大静脈に流れるのは肝静脈となります。

この門脈に流れる脾静脈と下大静脈に流れる肝静脈を入れ替えて出題されることがめちゃめちゃ多い(関西弁)です

肝臓の栄養血管

 固有肝動脈

肝臓の機能血管

 門脈

門脈のところで引っ掛けやすいのが肝臓の機能血管と栄養血管です。門脈は肝機能に関わるため機能血管とされています。

あわせて肝機能についても大きく3つ上げることができます。

門脈による肝臓の機能

 解毒
 栄養の代謝調整
 胆汁生成

肝臓の機能は別に色々ありますが、門脈によって調整されている機能は上記の3つです。

肝臓の解毒機能について

胃腸から吸収された栄養分や薬物を肝臓に送りグリコーゲン代謝や解毒をする

 

肝臓の栄養分の代謝調節

脾臓から分泌された血糖調整ホルモン(グルカゴン・インスリン)を肝臓に運んでグリコーゲン貯蔵量を調整する。

 

胆汁の生成について

脾臓で古い赤血球が破壊され、その処理によって生じたヘモグロビンの残骸を肝臓に運んで胆汁の材料にする。

 

上記3つの働きを門脈循環といいます。
ややこしいのが胆汁を再吸収している循環は「腸肝循環」と言い、また別の循環です

胆汁に関して復習する場合は上記の「note」を活用してください。

門脈の側副路について

門脈の側副路は3つあります。よく出題されますので覚えておきます。

門脈の側副路

 食道静脈
 直腸静脈
 臍傍静脈

率直に臍食す
率(側副路)直(直腸静脈)に臍(臍傍静脈)食(食道静脈)す

門脈は肝硬変や肝癌などの肝組織の病変が発生すると門脈系の血液がうっ血して門脈圧が高まります。

これを門脈圧亢進と言います。

門脈圧が更新した際に、正常時には機能的な意味を持たない門脈に吻合した細い増脈が側副循環路として機能します。

これにより、うっ血した門脈血を大静脈へ流してうっ血を抑えます。

はじめの側副循環路は胃の静脈を経て、食道下部にある静脈叢に流れます。その後食道静脈から奇静脈を経て上大静脈に注ぎます。

この流れが塞がると食道静脈叢のうっ血により食道静脈瘤がおこり、破綻すると吐血を伴います。

次に直腸の静脈を経て直腸下部の静脈叢に流れ込みます。
直腸静脈は内腸骨静脈から総腸骨静脈を経て下大静脈に注ぎます。

この流れが塞がると、直腸静脈叢の拡張により痔核の形成と痔出血が発生します。

最後に肝臓の下面と臍を結ぶ臍傍静脈を経て臍中央の皮静脈に流れ込み、腹壁の静脈を経て上下の大静脈に注ぎます。

これだけ上下の大静脈であることに注意が必要です。

最中央の皮静脈がつまると、前腹壁の皮静脈に放射状の怒張が見られます。
これを「メズサの頭」や「メデューサの頭」と言います。

門脈に関してのみ復習したい場合は「note」もご確認いただければと思います。

これで門脈は終了です。

骨盤内蔵の静脈について

骨盤の主な深静脈は基本的に動脈の伴行静脈として内腸骨静脈に注ぐ

上記のように骨盤周囲の静脈は殆どは内腸骨静脈に注ぎますが、一部の骨盤内臓の静脈は静脈叢を作ります。

骨盤周囲の静脈叢

 膀胱静脈叢
 前立腺静脈叢
 子宮静脈叢
 直腸静脈叢

静脈叢と最後についていればわかりますが、静脈叢を形成する器官でないものはという出され方をすると間違うかもしれません。

静脈についてまとめ

まとめ・ポイント

静脈については覚えるところが少ないので、点数が取りやすいところと言えます。

出題数は動脈に比べてかなり少ないので、動脈を優先的に覚え、それから静脈に手を出すほうがいいと思います。

ただ門脈に関しては静脈に分類はしていますが、単品での出題も多く、臨床医学総論や各論でも出題されるため絶対に覚えておきたいポイントです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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