血液
血液の中にある成分の組成(%)は国家試験必須問題です。一問は何らかの形で出題されると思われます。
では現在の血液の組成についての知識の確認からしてみましょう。
ゴロ合わせのみで覚えようとすると失敗しますので、必ず一旦は丸暗記をするか理論立てて覚えるようにしていただければと思います。
では次の項目から本題に入ります。
血液の働きについて
血液は粘稠性を持った比重1.06、弱アルカリ性(pH7.4)の液体で、その量は体重の約1/13(約8%)を占める。
まぁちょっとなんやかんや書いていますが、まずは血液の主な働きを4つお伝えしていきます。
物質の運搬
内部環境の恒常性の維持
身体の防御
止血作用
物質の運搬について
肺から酸素を運んだり、消化管から栄養素を内分泌腺からホルモンを全身の組織細胞へ運ぶ役割を持ちます。
不要な代謝産物も同様に運びだし、体外へと排出します。
内部環境の恒常性の維持について
体液のpHや浸透圧を調整、体熱を運搬し、体温の調整・均一化を行っています。
身体の防御について
生体内に侵入した最近や異物を食作用や免疫反応に寄り取り除く働きがあります。
これらは主に白血球の役割で免疫に大きく関係しています。
止血作用について
血管壁が損傷されて出血した場合に、損傷部位を自ら凝固して血液の損失を防ぎます。
毎度この説明を聞くたびに思うのが、なんで血液中では固まらないのかというのと、なんで血管壁が損傷していることを認識できているのかってところです。
固まらないのは血液凝固因子阻止因子っていうのがあるんですが、血管壁が壊れたことを知らせるメカニズムはよくわかりません。(知っていたら教えて下さい。)
あたり前のように感じますが、以外にこの4つ以外のものを選択肢に混ぜられてももしかしたらそうかも知れないと選んでしまうことがありますので注意です。
血液の組成について
凝固阻止した血液を遠心分離すると血漿と細胞成分に分けられます。
血漿というのは白血球・血小板・赤血球をの除いた血液の成分で約90%は水でできています。
勘違いしやすいのはタンパク質は血漿の方に含まれています。固形物だからと言って血漿にはなさそうと思いがちですので注意が必要です。
血漿:55-60%
細胞成分:40-45%
おおよそ6:4程度で覚えておけば問題ありません。
これはあくまで血液だけの比率であって、細胞外液と細胞内液の比率ではありません。
ヘマトクリットについて
全血液容積に占める赤血球容積の割合をヘマトクリット値もしくは赤血球容積比といいます。
ぶっちゃけ先程の細胞成分のほとんどが赤血球ですので、ヘマトクリット値もほぼ変わらず約45%です。(女性であれば40%)ここからもいかに血液中に赤血球が多いのかがわかります。
ヘマトクリットは赤血球そのものですので貧血時にヘマトクリット値は低下します。
赤いトマトしゅごい
赤(赤血球)いトマト(ヘマトクリット)しゅご(45%)い
次の章では細胞成分である赤血球・白血球・血小板について解説をしていきます。
赤血球
赤血球は核を失った細胞である。大量のヘモグロビンを含有するため、たくさん集まると赤色を呈する
。
赤血球のことについてはよく国家試験で出題されます。
無核である
ヘモグロビンを持つ
中央がくぼんだ楕円形である
血液1m㎥の中に成人男性では約500万個
成人女性では約450万個存在する
寿命は約120日である
石鹸が500万円でムカっときた
石鹸(赤血球)が500万(個数)円(形)でムカ(無核)っときた
まず赤血球には核がありません。通常細胞には核があり遺伝情報を持つDNAをもって作られます。
しかしヒトや一部の哺乳類の赤血球には核が存在していません。
理由は色々研究されていますが、それは後付の理由でありなんで核がないのかの真相は不明です。
形も近年の国家試験では聞かれることがあります。イメージとしては核が無いので真ん中が凹んでいるとおぼえていただいて、実際は餡ドーナツみたいな形をしています。
あんドーナツのイメージなんて人それぞれだろ!とか言われそうなのでイメージを用意しました。
赤血球のは働きは御存知の通り酸素の運搬ですが、赤血球は二酸化炭素を運搬しているという選択肢は正解です。
赤血球は酸素の他に、二酸化炭素の運搬やpHの調整も行っています。
他にも赤血球は狭い毛細血管とかも通らないといけないのでよく形が変わります。
この簡単に変形できる能力のことを「変形能」といいます。
赤血球は変形能を持ちます。
ヘモグロビンの構成について
ヘモグロビンは色素タンパクであるグロビンと鉄を含むヘムが結合したものです。
鉄は酸素を取り込むのに効率が良いので酸素の運搬に利用されます。
ヘモグロビンが古くなり、破壊された場合またヘムとグロビンに分解され、ヘムはさらに鉄と分離して、ビリルビンとなります。
まとめると以下のようになります。
グロビン:色素タンパク
ヘム(鉄)→鉄とビリルビン
白血球
白血球は赤血球よりも大きく、核を持ちます。
白血球は顆粒球・単球・リンパ球の3つに分けられます。
好中球:55%(50-70%)
好酸球:3%(1-5%)
好塩基球:1%(0-1%)
リンパ球:30%(20-50%)
単球:5%(1%未満)
航宙GOGO!
航宙(好中球が)GOGO(55%)!
単語
単(単球)語(5%)
数値は教材によってまちまちなので覚えるのは好中球が最も多いという所だけで大丈夫です。
核を持つ
血液1m㎥の中に5000-9000個
生体防御機能をもつ
寿命は2-14日
寿命に関して一部のリンパ球は数十年に及ぶものがあります。どの白血球も脾臓で破壊されます。
脾臓の働きが赤血球を破壊するだけと覚えている方もおおですが、白血球も破壊します。
もちろん血小板も脾臓で破壊します。
血小板
血小板は直径2-4μmの円盤像をした無核の細胞である
無核である
血液1m㎥の中に15万-40万個
止血作用をもつ
寿命は5-10日
赤血球と血小板は無核の細胞です。主な働きは止血作用。
血小板の減少で出血傾向が現れたり、増加で血栓症が認められることがあります。
他の細胞と違い血小板は少し変わった作られ方をしますので説明をします。
血小板は骨髄の幹細胞から巨核芽球を経て文化した巨核球の突起が分離して血中に出てきたものです。
イメージとしては巨核球という細胞から角が出てきてその先端が離れてたものが血小板っていう感じです。なのでもともと巨核球の一部だったため、核はありません。
いままでお伝えしてきたのが、血液の細胞成分でこの次にお伝えするのが血漿についてです。
血漿について
血漿は淡黄色・透明の液体で、その90%は水である。
血漿の水以外の成分には、タンパク質や無機質(鉄分やカルシウム)そして等などが解けています。
よく出題されるのはタンパク質です。
では血漿にあるタンパク質(血漿蛋白)の働きをまとめていきます。
アルブミン
グロブリン
α1-グロブリン
α2-グロブリン
β-グロブリン
γ-グロブリン
フィブリノゲン
血漿タンパクの殆どは肝臓で作られていますが、γ-グロブリンのみ白血球の形質細胞で作られています。
グロ我慢できず形質細胞
グロ(グロブリン)我慢(γ)できず形質細胞(生成)
アミノ酸供給源
膠質浸透圧の維持
ホルモン・ビタミンの運搬
血液の酸塩基平衡に関与
フィブリノゲンの血液凝固作用
血漿タンパクの膠質浸透圧の維持は尿やむくみ・浮腫などの状態変化に関与する大切な働きを担っています。
血液の酸塩基平衡に関与するというのは別名で何作用というかご存知でしょうか。
ヒトのホメオスタシスには身体の中が酸性に傾きすぎたり・アルカリ性に傾きすぎたりしないようにする働きがあります。
これを担っているのが血漿のタンパク質とヘモグロビンです。
このような常に血液中のpHを一定に保つ酸塩基平衡を緩衝作用といいます。
例えば「ヘモグロビンは緩衝作用をもつ」や「血漿タンパク質は緩衝作用をもつ」といった選択肢は正解となります。
酸性とアルカリ性についても簡単に説明をしていきます。
酸性とアルカリ性について
ヒトの血液は通常pH7.40±0.05の間にあります。
酸性とアルカリ性の中間である中性は7.0ですので弱アルカリ性に傾いている状態です。
ちなみに1に近づくにつれて酸性になります。胃酸などは1に近いと言われています。
そしてこのphが通常の範囲を超えて酸性に傾くことをアシドーシスといい、アルカリ性に傾くことをアルカローシスといいます。
通常のpHが7.4で異常値が7.2であっても本当は弱アルカリ性なのに、アシドーシスといいます。
この通常の範囲というのは0.05を超えない範囲です。
ヒトデナシ
ヒト(ヒトのpH)デナシ(7.4)
血液の組成についてのまとめ
血液の組成では、ヘマトクリット値や血漿・細胞成分など国家試験でよく出題されているところばかりです。
知っていても数値は間違ったものを選んでしまいがちですのでしっかりと覚えておくと安心です。
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